IoTビジネスモデル革命

IoTビジネスモデル革命 小林啓倫著作 朝日新聞出版

http://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=17600

気になっていたので図書館に予約し早々に読むことが出来ました。この本では既に企業で実施されているIoTを多数紹介していると共に、これからの方向性や注意喚起などに触れています。

IoTがフル活用される世界では「人がいなくてもいい」状況になる。例えば寝ている人の情報を管理し起きる時間になったら少しづつ電球を明るくする技術などが考えられる。誤解しないで欲しいのですが未来は人がいなくてもAIロボットが全て働いてくれるということでもなく、人が除外されていくという懸念を訴えているのでもないです。今までのように人がスイッチを付けたり消したりする必要がなくなるということ、ウェアラブル端末で人の睡眠の深さを計測しそれをクラウドへ上げる。AIが情報処理をし支持を出す。その人が普段起きる時間と身体のリズム(心拍や睡眠の深さ)との最適化された状態で起こしてくれるということです。

IoTの発展では今までのように「計画された陳腐化」をして買い替えを促すといった報酬の得方から成果報酬という流れになる。と作者は唱える。あるコンプレッサーメーカーは機械を売るのではなく「圧縮空気」そのものを売ることにシフトした。コンプレッサーには多くのセンサーが付き情報をクラウドへ上げる。その情報を解析し適切な管理をする。部品交換の最適な時期、オイル交換の時期など。今までは決められた、想定された周期でオイル交換をしていたのを、実際の情報をもとに交換をする事になった。使用環境・条件でそれぞれ最適なタイミングが違うからです。この事例はとても象徴的であり、今後ビジネスでの成果報酬主義の典型であると思います。

この本に書かれている事から私が行わなければいけないことは中小製造業・金属加工・精密板金の業界でいかにIoTを普及させ業界全体で生き残る事が出来るかです。先週、ガイヤで放送された精密板金工場とものづくりベンチャーの協力、自動車部品切削メーカーの新たな戦略を見ましたが、それだけでは生き残れないような内容で、とても弱すぎるとの印象でした。展示会に目を引くディスプレーを置いたとしてもそれで受注が増える訳ではないのですから。「営業したら!」って言いたくなりました(笑)

 

また、本書とはまた違う面から見た印象深い話がありましたので紹介します。

 

養老孟司が「日本人の壁」とはと提唱していました。

『五感を使って生きよ』 『自然の中に身を置いくことで感覚が磨かれる』

感覚を同じにしているから何も出てこない。『自然に行け』とは『自分を動かす』こと。自分が変わっていくチャンスをもらえる。自分が変わらないという前提がいつの間にか出来てしまっている。そう思っている自分そのものが変わる。自分にこだわっても得はない。

200年ぶりの大きな変革が起こっている中で、五感を研ぎ澄ませ自分を改革し生きる。これが一番重要なのでは?という気持ちになります。