製造業でのIoT活用 精密板金 抜き工程

製造業でのIoT活用 精密板金抜き工程

棚付きマシンでの24時間稼働では出力されたネスティングデータを読み込み材料の段取りを済ませ自動運転をスタート、1枚程度加工を見計らってから帰宅する事が多いと思います。加工機によって集積されるデータ方法は様々ですが基本的な部分は大差がないと思います。

電源投入時間・機械稼働時間・タップ加工時間・各金型パンチ数・メンテナンス情報 等々。

その中でタップ加工時間の占める割合が機械稼働と大きく関係しています。その集積されているデータを担当者・工場長・幹部で話し合う事が重要です。自動運転の場合M3・M4・M5等、薄板精密板金で一番多様されているサイズを夜間運転で加工するの否かです。タップ加工時間は行って来いで約4~6秒程度ではないでしょうか。もちらん製品によりますが1シートに1000発タップを行うと4000秒=66分程度になります。1パンチ1秒切るマシンでタップを60分も行うのか?分かれ目です。

メリットとしては自動運転に任せておけば勝手に加工してくれ、加工忘れが無いというのは相当効果があります。ですが、1シートを加工するのに1時間もかかっていたら朝までの予定があまり進まないことになります。私はタップはなるべくタッパーで加工する派です、しかも多軸がベストです。製品によってはタップ加工専門業者に依頼する事も必要になります、『餅は餅屋』ですから。

製品搬出方法はアマダの場合、製品を一個づつバキュームで吸うかミクロジョイントでシートごと搬出となります。コマツはシート単位と揺らしでバラバラにするものでした。揺らす方法はNGでしたね、傷の問題があります。一個単位でバキュームが完璧であれば何の問題も無いのですが現実は材料を叩く(コマツは板抑え力はおおよそ800kg)ことによる伸びが発生しCADデータと現実では微細なズレが生じます。それは製品アウトラインとミクロジョイントにも影響します。ミクロジョイント金型はいろいろありますが。。。どれもイマイチな設計で、結局バラシ作業がかかったりと人の手が入ってしまいます。

理想のジョイント量とは?

1シート全体を揺らし(さんを叩いたり)全て同時に落ちる。これが最適なジョイント量です。しかも製品が斜めにならず、水平に落ちることです。それはバラシ作業をする担当者からの情報をCADにフィードバックして情報を集積し、CAMを完璧な状態にするしかありません。ジョイント量、場所、個数等。まさか製品が落ちる事をシュミレーション出来るソフトがあれば最高ですが、おそらく無いのではないでしょうか。24時間稼働の機械はその前と後、CADと処理にかかる時間をしっかり管理しないと理想的な稼働・収益は見込めないと思います。メーカーはその辺りをぼやかして話をしますのでたちが悪いです。