iot 金属加工・精密板金加工のこれから

経済誌や業界雑誌にはとかく『IoT』の文字がならびこれからのマスカスタマーに対応する、大量生産並みに小ロットを作る、今まで利用していなかった工場内部のビックデータを解析してより合理的に業務効率を上げる。など、素晴らしい理想的な文面が並ぶ。

私が所属している『IVI』という団体があります。大手メーカーから中小まで多くの企業が参加しこれからのiot社会をどう構築していくかを牽引しています。では、実際の中小工場などでの現実はというと、それは各現場によりますが合理化が進んでいるところもあれば、未だに5sも実践していないところもあります。それは一概に経営者の考え方、行動力によるものだと思えます。日本のピラミッド型の発注構図では親会社からの発注がしっかりあれば何も考える必要は無く、がむしゃらに価格ダウンとある程度の品質を担保すれば回っていくものです。もちろん、それがうまくいかないので皆さん苦しんでいることなのですが。

先週放送されたガイヤの夜明けでツインバードの話が放送されていました。20年前、人件費の安さに目がくらみ中国での生産にシフトしたが、近年の人件費高騰により国内回帰をするもくろみを晒していました。

なぜ、簡単に受注をするのか?

私は下請け企業のプライドと現実路線での必要性、『仕事を発注してくれるなら誰でも良い』という少し残念な対応を目にしました。加工機の支払い、人件費と経営者は苦悩の日を続けていると思いますが、それではなぜに自己で設計開発の道を模索しなかったのか?『お互い似た者同士』と感じてしまった。

ドイツにはマイスター制度がある。それを真似た日本国内での利権と冨の集約という本来とは目的違いの制度がある。国家検定制度があり、技能検定に合格したものは技能士と称することができる。特級、1級、2級という階層がある。

以前、その試験を受け一級筆記試験合格し実技はアマダ本社で実施、するとアマダで実技練習をしているした人たちがいて、機械にもなれていて道具、入力数値など、試験そのものを練習していたようでした。 実技試験官は皆、アマダ社員(笑) 要は”内輪”で構築しているのだ、というお粗末な次元に嫌気をさしやめてしまった。『何の価値もない』事が肌感覚で分かったからです。(座学は良かったですがw) 当時は横浜に住んでいたので町田の慶応大学の後者に大勢が集まり、一人あたり確か1万円程度の受験料を支払い、おめでたく試験を受けていた。

『ただのカネ集め』ドイツのマイスター制度とはかけ離れている。ただの既得権そのものだった。

コロンビア大学教授、ジョセフ・スティグリッツ(米国大統領経済諮問委員会委員長)はnhkの番組で『今、世界の総需要が不足していることが問題である。そのせいで世界経済が減速している』世界の需要が足りないと言う。それはいくつかの原因がある。まずは中国の減速”量の成長”から”質の成長”への変化し世界へ大きな影響を与えている。もう一つはユーロ圏。通貨の統合が成長を妨げてきた。ただ全体としては月の要因が潜んでいる。『不平等の増大』である。貧困層から富裕層へと冨は吸い上げられ富裕層は貧困層に比べお金を使わない。これが全体の需要を押し下げ成長のブレーキをかけている、と述べている。

『不平等』  『需要不足』  『低成長』

トーマス・セドラチェ(チェコ cbos銀行 マクロ経済チーフストラテジスト)24歳のとき、初代大統領の経済アドバイザーに抜擢、著書に『善と悪の経済学』

僕らが生きている世界は資本主義かそれとも”成長”主本主義か?僕は成長資本主義と思っている。みんな成長のことばかり気にしている。成長できなかったら「もう終わりだ」ってね。資本主義が成長するというのはナイーブな思い込みだ。

『成長』は前提ではない

成長に反対なわけじゃニャい、だれもいい天気が嫌いでは無いだろう。問題は社会 年金 銀行…すべて成長が前提になってることだ。まるで毎日快晴だと決めつけて船を造るようなものだね

『そんな船はダメだ』

凪でも嵐でも航行できるのがいい船だろう、そりゃ、天気がいいに越したことはない、でも、それを前提に船を造ってはいけない

『成長より安定を』

『どんなに働いても欲望を満たすだけのものは作れない』

共産主義だった国から来た身としては共産主義を捨てて資本主義をインストールしていたころ、民主主義国家での資本主義は何よりも自由の為のもとの信じていた。成長は良いものかもしれないけど例えて言えば車の”最高速度”だ。それは大事なことか?そうだ、一番大事なものか?

『NOだ』たしかに資本主義は”成長”のための豊かな土壌だ、しかしこの20年間で2つの関係がひっくり返って私たちは成長を資本主義の”絶対必要条件”だと信じ込んでいる。

自由とはかつて『物からの自由』を意味していた。今や自由とは『消費する自由』だ、消費できるほど自由を感じる、消費できないと自由じゃないと思ってしまう。だから毎日働かないといけない。いらないものを買うためにしたくもない仕事をする。

専門化した社会では自分のしていることが分からなくなる、フランスの哲学者ラカンはこう言った『分かってはいるけど止められない』 私達の問題は分かってもいないことだ。

どんなに働いても欲望を満たすだけのものは作れない

 

スティグリッツはさらに

『低成長は避けられる』と説く。

アメリカ ヨーロッパ 各国で考え方を変えることができれば成長は可能だ。市場経済はずっと続いていく。市場経済のあり方は政治が大きく影響する。30年前アメリカをはじめ各国で資本主義のルールの書き換えが始まった。ますます不平等を生むようなルールに書き換えられたのだ。それだけでなく市場経済の効率性が下がり生産性の下落を招いた。目先のことだけに人々が夢中になってしまうようなルールの変更だ。長期の投資ニーズがあり、長期の貯金をしている人々がいる、だが、金融市場は目先のことだけで機能不全に陥っている、私達の市場経済が招いた決定的な変化の一つだ。だから 今再び ルールを書き換えないといけない、これからのルールは繁栄を分ち合い より成長しより平等な分配をうながすものでないといけない。

 

 

 

 

 

 

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