製造業でのIoT活用 精密板金CAD工程

Iotという言葉がだいぶ浸透して検索ワードでも「製造業でのIoT 活用」など多く検索されています。

では、精密板金ではどういった事が考えられるでしょうか。

1.CAD工程 

今だにアイ◯などは紙図面のみを配布し二次元データ(.dxf)すら出さないのでトレースからはじめなければいけない、これはたまったものじゃないです。下請けが束になって客先を説得しなければいけない。そこで必ず出てくる話が情報漏えい、それには秘密保守契約を提案をする、それでもダメなら協力会を起ち上げ下請け全体で説得する、他の企業での実例を示し、トコトンやる。もちろん受けた側のデータ管理などの徹底も重要です、今だに個人のUSB持ち込みやフリーメール、SNSなど実務担当者は案外やっています(笑)。そこを管理する。PC監視ツールやソフトの活用 http://www.motex.co.jp/少し厳しいようですが管理とはこういうことです。

『3DCAD化』

客先設計はほぼ3DCADで設計をしているのでいち早くシートワークスを導入。http://www.sheetworks.amada.co.jp/products/products-top.html     もしくはソリッドワークスの導入。http://www.solidworks.co.jp/ 価格差が5倍?程度あるのでソリッドワークスで開いてAPに移行させるだけでもいいです。要は「使っている事」と「ベンドまで行う」ことがとても重要です。曲げの話しにも書きましたが「CAD工程=製造設計」ですので20代前半から全ての工程を経験させ職長レベルにまで指導し全工程一巡してから品質管理・工程管理、そこに3DCADですから時間が足りません。遅くとも30代前半には全て終わらせないと一人前のスペシャリストは育ちませんので忙しいです。アルミのt0.8を溶接できないと『溶接シロをどうつくったらいいか?』、『付け合せはどうしよう?』など分かるわけもないでしょう。残業代も多くなりますが努力と結果はつきもの、という稼ぐ喜びを経験させる方法がベストです。

IoTはそれからです。全ての工程の情報をいかに解析するか、これは地道な作業の繰り返しです。24時間稼働するモンスターマシーンは月に600時間以上稼働し続けます。そのネスティングデータを揃えるだけでも最速なpcが必要(※1)ですし、ネスティングのノウハウも重要で難しい。基本が分かっていないと夜間運転は必ず失敗します。製品の重さ、抜き順、スタートエンド、配置などマニプレーターが出てきた途端にCADオペの作業量、ノウハウは格段に多くなりました。そこを幹部がいかに理解するかが成功するか否かの差です。少なくとも15年前のコマツの担当者はすでにこのことを会社に提案し私をGT3300の責任者にしました。http://www.komatsusanki.co.jp/bankin/GT3300.html 懐かしいです(涙)その当時、機械稼働600h超えは全国でも3位で多品種だった為、ネスティングのシートを毎日夜中まで作っていましたし、既存のCAMデータの見直しがとても重要でした。

『Dr.BEND』

アマダの曲げソフトですが、当初私も?があり、あまり重要視していませんでしたが、フィードバックという面で重要さに気がつき曲げ工程を説得し活用始めました。そこに出てくるのがチーム内での考え方の違いです。曲げ担当はある種自分のペースで踏む人が多く、とても苦労しました。基本、人間は変化を嫌がるものですので、頭の固くなった職人達はとてもたちが悪いです。良い管理者を育てておくか、そこがとても重要です。

バラシ作業へづつく

※1 ネスティングデータのプログラムと多数個取りのプログラムをシュミレーションで確認して下さい。その長さに驚くはずです。1シートの金型配置を全てバラバラに演算しなおしています。そこに加工順序が入りますからなおさら処理に時間がかかるのです。Φ1から初めて長角いって大口径。。。といった具合です。夜間運転で朝まで10時間あるとして4×8、1シートの加工時間を30分とすると少なくとも帰宅する前に20シート分を用意しなければいけません。夜8時からネスティングを始めても10時スタートはギリギリです。もしかしたら間に合わないです。アマダのPCはそういった点で処理が遅いロースペックですので無理言ってでもコアI7メモリ16G程度は用意してあげてください。