下町ロケット ガウディ篇完結 真の技術力とは

2015年12月20日 下町ロケットガウディ篇が終了しました。佃と椎名との戦いは一応の決着がつきました。一度負けた椎名が佃製のバルブより性能を30%も上げてリベンジを誓うシーンはとても良かったです、正直、佃社長の言うことも、椎名社長の言うことも共感出来る部分があり、とても楽しかった。

機械では1/100ミリまでの仕上げ感を技術者は1/1000ミリ、1μを手の感覚で調整する。これは事実です。産業機械の誤差、公称スペックは10μまでが殆どですが、その先にどうしても入っていかなきゃいけない時がある。そこからはルーペ、顕微鏡、投影機などの機材を使いながら目視、手の感覚で攻め込むしかありません。

最終話の後半には検査データ偽装が発覚しました。これはドラマの中だけの話ではありません。最近では高速道路を支える金属部品の付け合せ溶接の仕様を無視し発覚した事例があります。T字に付け合せをする際、開先を取り両側から溶接を行うのですが、一気に作業をすると極わずかに空洞が出来る、この事を事前にわかっていた発注者は片側を溶接した後に切削作業を行い、反対側を溶接し完全溶接を行う仕様に指示をしていました。ところが受注側は見えなくなること、大幅に工程を削減できることを理由にその工程を無視し作業を行いました。さらに、自社が手配した検査会社に超音波検査を依頼したが、その検査部品だけ良品を準備し検査させ、合格として出荷し事実、膨大な部品が高速道路の橋脚接合の重要部品として組み込まれて行ったのです。

発覚は内部リーク、親会社も含め大騒動となり、現在は橋を一部壊し、その部品を取り替える作業を行っています。

http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail02_3747_all.html

ドラマの中で検査データ改ざんの発覚は揃いすぎた数値でした。実際の現場でも検査データ偽造はある種、日常的に行われています。性善説ではない、合理的な管理が絶対に必要なのです。